話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

 

 来たぜこの季節がよー! 10選の参加は三回目になります、よろしくお願いします。

 2017年に見た作品は 冬9春7夏11秋8(予定)の35(予定)です。去年もそうだったんですが選出自体が終わっても肝心の文章を結局12月31日成り立ての深夜に書いてるの全然進歩ないなって感じなんですね。去年は一言二言めいたやつしかコメント書けなかったのでせめて去年より分量多くが目標。頑張るぞい。

 

shinmai.seesaa.net

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 ルール
・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

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 去年の。

wind182.hatenablog.com

 

 

 

NEW GAME!! 第6話「あぁ……すごいなあ……」

 脚本:志茂文彦 絵コンテ・演出:山﨑みつえ 演出助手:野呂純恵

 作画監督:板倉健・三島千枝・山野雅明・武藤幹・山崎淳・齊藤大輔・渡辺舞・山崎輝彦・吉村恵・手島行人

 

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 個人的にはこれが2017年トップオブトップオブトップ。2話からいきなりシリアス回をぶっこむ(もっと言えば1話からその気配を仕込む周到さ)姿勢を見せていたお仕事ものモードがここに来て臨界点に。

 一番グッと来たところは八神コウが青葉のために激昂するところ。青葉のために彼女が上司に激怒するというところが本当にいい……。f:id:wind182:20171231055324j:plain

 八神コウが(青葉の為に!)自分の感情を爆発させたように、涼風青葉がけして果たされぬ道であろうとも自分の意思で選んだ道であることを吐き出すところもグッド。ブラックコーヒーを飲み干すのも神オブ神。

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 八神コウの絵を見た涼風青葉が自らの心が敗北を認めてしまったとしても尚自身の絵の完成を目指し、「今日も一日がんばるぞい!」の場面を彷彿とさせる形で涙を拭うシーンもグッド……。

 ほんと良いのでほんと良いところしかない回です。ほんと良い……。

 

Infini-T Force 第7話「INSANE FATHER」

 脚本:大野敏哉 絵コンテ:鈴木清崇 演出:鈴木清崇

 

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 この作品にはタツノコプロ55周年ということもありタツノコプロのヒーロー、ガッチャマン、ポリマー、キャシャーンテッカマンが出てきます。彼らはもと居た世界を滅ぼされたことで、主人公・笑のいる世界に突如現れて敵に狙われている彼女を助けるヒーローをすることになります。その中でもガッチャマンである健は堅物であり時には古臭い昭和的価値観を覗かせながらもニコ動のコメントでは「トッチャマン」などと言われるように、幼いころに失踪した笑の父親の代わりのようなポジションに位置することになります。実はラスボスでもあるという笑の父親・一道がこの話数で再び笑の前に――正確には次元を隔てているので目視することはできませんが――現れます。さて笑にとって(もっと言えば子供にとって)父親とは一体どういった存在なんでしょうか。

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 この話を見て思ったのは父親という存在は子供にとっての最初のヒーローなんだってことです。自分を放って長年行方不明だった一道を笑は突き放しますし、以前の話数ではヒーローたちに「殺してくれ」とまで言っています。しかし次元を隔てながらも対面した笑は父親が自身の存在を賭けてまで笑の命を救おうとしていたことを知り、忘却の記憶――父親が自分を愛していたということ――を思い出します。たとえその思いが悠久の時と無限の次元を経て歪んだものになっていたとしても。親というものは本来子供の成長に伴い親が持っている――と思っていた――万能性が崩れさるものです。そこで親は子供にとってヒーローでなくなるわけです。そうするならこの話は子供のために万能の力を求め続けた――ヒーローであり続けようとした――親の話になるわけです。

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 ついでにこれは与太話なんですが、この話数で顕著になることとして、この作品はアニメそのものの話をしているんですよね。いずれ死にゆく笑(キャラクター)を生かすべく次元の違う場所にいる父親が破壊者≒創生者として笑一人孤独になったとしてもそういった世界を追い求める。しかし笑はそれを是としないっていう。

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アクションヒロイン チアフルーツ 第12話「情熱☆フルーツ」

 脚本:荒川稔久 演出・絵コンテ:本多美乃、草川啓造 

 総作画監督井出直美、松本麻友子、小川 茜、小原 充、本多美乃

 

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 1話からの積み重ねがあるんだから最終回が面白いというのはまぁ当然ではみたいなところがあるんですが『チアフルーツ』の最終回はその最終回特権に甘えることなく、しかし最終回特権を最大限生かす、というカタルシスMAXなやつです。

 アドリブに次ぐアドリブが物語も劇中劇も切り開いていく様はグッドグッドグッド。

 細かいところで言うと(アドリブで)急に思い出すところにはディオメディアの由縁を感じずにはいられないところでしたね。

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セントールの悩み #11 ■花の名前は……は人の数だけあるんだよ、ってきっと嘘! ■美しさは人の数だけあるんだよ、広義で言えばきっと本当?

 

 脚本:森田繁 絵コンテ:大森英敏 演出:藤代和也、高田昌豊

 作画監督:渋谷秀、しまだひであき、本多みゆき

 

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 美少女しかいない世界で果たして誰がそれをランキング付けできようか?

 

プリンセス・プリンシパル 第1話「case13 Wired Liar」

 

 脚本:大河内一楼 絵コンテ:橘正紀 演出:江副仁美 作画監督:寺尾憲治

 

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 5話とか挙げるのが王道なんでしょうけど自分が『プリンセス・プリンシパル』に一番可能性を感じたのはやっぱりこの1話なのでこれを挙げときます。美少女、スチームパンクDTBを思い起こすスパイ要素、とにかくカッコいい戦闘、キャラクターのイイ感じの関係性、これでもかと好みをぶつけてくる。話もちゃんと面白い。

「いいえ――いいえ、いいえ、いいえ――」

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 ラストも完璧。1話の引き込みとして完の璧で本当にパーフェクトな初回です。

 

AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION- TRIP9「ゲームのカードで戦ってしまったのですが!」

 脚本/雑破業  絵コンテ/青柳隆平 演出/青柳隆平、山田山男、博史池畠

 総作画監督/満田一  作画監督/満田一、吉岡敏幸、Park Jaeseok

 

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 “デュエリスト”なので……っていうのは半分冗談なんですけど『アキバズトリップ』は他にも人工知能回やブラックバイト回、秋葉原グルメ回など傑作回が多いです。ぜひほかもご覧ください。

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戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE 06「決死圏からの浮上」

 脚本:永井真吾・金子彰史 絵コンテ・演出:石川俊介 総作画監督藤本さとる

 作画監督:畑智司、ハニュー、坂本俊太

 

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 シンフォギアシリーズにはパワーワードめいた言い回しや言葉がほぼ毎回のペースで出てくるのが恒例といってもいいのですが、2期である『シンフォギアG』にもそういったセリフは随所に登場しています。その中の一つが「なぜそこで愛!?」。

 

dic.nicovideo.jp

 

 詳しいことはリンクで見てもらいたいのですが、この話数でこの疑問符へのアンサーが4期である今やってくるわけです。そりゃ鳥肌も立ちます。長期シリーズの強みですがこういった伏線回収が出てくる場面に遭遇すると過去の記憶が想起も組み合わさり、とにかく印象に残ります。

 それ抜きにしてもこの話数はそれまでの話数が作画にパワーがなかった分見応えあるものになっていてそういった面でも突出した回と言えます。

 

冴えない彼女の育て方♭ #08 フラグを折らなかった彼女

 脚本:丸戸史明 絵コンテ:亀井幹太 演出:柴田彰久 作画監督:石田一

 

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 ノイタミナ作品でいえば『四畳半神話体系』にも主人公一人だけで喋る回があったりしましたが、同じノイタミナ作品である『冴えカノ』にも似たような話数がやってきました。一人ではなく主人公とヒロインの二人だけですが。今でいうと『少女終末旅行』って感じですが、そんなわけで2人しかいないわけなのでこの話数を構成するのは当然2人のやり取りだけです。つまり2人のラブコメ成分100%。

 正直これに関しては言語化するのは無理なので実際に見てTVかPCの前で頭抱えてゴロゴロしてほしいところ。仮にラブコメ部門を設置するのだとしたら完全に優勝。加藤派じゃなかったとしても。

 

セイレン 第12話「ハツコイ」

 絵コンテ・演出:小林智樹 総作画監督:武本大介・丸藤広貴

 作画監督:一ノ瀬結梨、大髙雄太、服部益実、片岡英之、栗井重記

 

twitter.com

 

 上でラブコメなら優勝とか言ってしまいましたが、ラブコメならこっちだって負けていません。アマガミをまだ見ていないのですが履修の必要性を感じてます。

 1~4話、5~8話を別のヒロインとのルートに割り当てられ(それもどう考えても異常なヒロイン達!)、いよいよラストルートとなる9話以降。CV木村珠莉の普通そうな幼馴染キャラに安心したのもつかの間。そもそも主人公はじめヒロイン以外のキャラもおかしいんだからこのヒロインのルートもおかしくって当然だった……

 ただ8話もそうだったんですが、そんな中でルートのラストでは変態性とかに引っ張られてこちらがノーガードの状態になった時にあまりにドストライクなラブコメを投げ込んでくるので本当に心が打たれてしまう。しかもいつもと同じノリで繰り出してくるわけです。この作品は(というか恐らくアマガミ系統は)ラブコメと変態性が共存していてそれを普通のことにしている超常世界なのでそれらが相互作用して爆発した時にはこちらが憤死するのは必然でした。

 

サクラダリセット 第10話「MEMORY in CHILDREN 3/3」

 脚本:高山カツヒコ コンテ:吉田泰三 演出:朝木幸彦

 作監:横山謙次/CHA MYOUNG JUN/SHIN HYUNG WOO

 

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 これはもう1、2話の先行上映を見た時点でこの話数が入るのを確信してました。裏事情を書くと『サクラダリセット』は原作の3巻目である過去編に当たる部分を1、2話に持ってきているんですが、MEMORY in CHILDRENと冠したサブタイトルの3/3を残しながら次の3話になった時に新しい話に進んだ時点で「あ、この話数優勝確定だな」と思わされました。

 『サクラダリセット』を語る上で欠かせないのがメインヒロインの一角である相麻菫。CVの悠木碧が激ヤバのヤバなんです。少し前にあった『僕だけがいない街』でも好評でしたがああいった系統に近いやつでしてこの作品を見続けた人にとって多くの人が彼女をその原動力として挙げるでしょう。過去現在のピースが繋ぎ合わさることで彼女の復活に進んでいく展開は前半の山場。ここから物語はさらなるレベルへ高まっていくわけですが……。

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 最近ダ・ヴィンチニュースの2017年でもっと評価されるべきアニメトップ10の1位にこの作品が来てたんですがこの話数といい、競合する20話といい、とにかくスロースターターだったのがこの作品とって一つの不幸だったと言わざるを得ません……(アニメ化が難しい原作なのはわかりきってますが……)。

 

 

ddnavi.com

 

 以下他に悩んだやつ。

 

セイレン 8

 ――喉仏キスは“ヤバい”。

アイドル事変 3

 ――『アイドル事変』のボジティブなヤバさが一番あった頃。

けものフレンズ 3

 ――この辺から『けもフレ』人気が高まってきた、はず。

けものフレンズ 12

 ――やはりあの盛り上がりは凄かったと記憶しておくべきだと思うのですよ。

ゲーマーズ 2

 ――2話にしてただの量産型ラノベアニメではないのだなーと伺えました。

プリンセス・プリンシパル 5

 ――言わずもがな……。

プリンセス・プリンシパル 6

 ――これも言わずもがなでしょうよ……。

宝石の国 8

 ――いつもの(?)フォスが拝める最後の回。少年期(少女?)の終わり。

宝石の国 10

 ――3DCGの特権をこれでもかと活かす回。

・落語心中 11

 ――1期2期と続けて見て来た視聴者へのサービス回過ぎる……。

少女終末旅行 5

 ――この回を始めとして特殊EDが本当に良い。この回は特に良い。

・天使の3P 10

 ――急に来る「サクラサクミライコイユメ」とか反則なので……。島のモチーフ由縁でしょうかね?

サクラダリセット 20

 ――この回以降全部神回とか戯言言い出すので自制しました。

サクラクエスト 18

 ――教授は1エピソードで消すには惜しい人物だった……。

 

 

 結局徹夜してしまいましたが完成したので良しとします。おやすみなさい。よいお年を。また来年もよいアニメに出会えますように……。